「我慢の人生はもうやめよう」
半年ほど前、がん検診にひっかかった。
「右胸上部の一部が石灰化しているので、このまま半年様子をみましょう」ということだった。
そして先日、再検査した際、ドクターから「ちょっと怪しくなってきた」と告げられた。
大きな病院へ紹介されて、ちょうど昨日生体検査のための手術がおわったところだ。
人間、いつ病気になるかわからないし、いつ死ぬかもわからない。
誰かの顔色を見て怯えて過ごすことに、限られた残りの人生を費やして、生涯を終えるなんて嫌だなと思った。
そういえば、物心ついた頃から親に怯えていた。
よくわからない理由で怒らせてしまっているようで、「しつけ」という大義名分で、言葉や暴力を以て、心や体をボロボロにされていた。
希望は取り上げられて、やりたいことは全部禁止された。
辛くて逃げたかった。
所有物としてではなくて、人間として扱われたかった。
でも、高校卒業するまで、支配から逃れる勇気もお金もなかった。
大人になってもその癖は抜けなくて、我慢し続けていた。
自分で勝手に我慢しているのに、「なんでわたしばかり」とイライラしたりもした。
意味わからないよね。
我慢するから、周りがつけあがる。
そしてさらに我慢することになる。
そんなことにすら気づかないで、ひたすら我慢し続けてきた。
「がんかもしれない」と言われて、死を覚悟するところまでこないと、我慢していたんだと自覚することさえできなかった。
我慢をやめようという発想にもならなかった。
多分これからも、癖が抜けなくて無意識に我慢することもあると思う。
これまで充分我慢してきた。
だからもう我慢はいい。
右胸が石灰化したのは、きっと「自分の人生を生きなくちゃいけないよ」と教えてくれるためだったんじゃないかなと思う。
これからは自分の心を大切に、自分を最優先にして生きていこうと思う。
きっと今よりもっと楽しい。
我慢せずやりたいことやるし、嫌なことには「嫌だ」って言うから、よろしくね。