「感謝は大切」ってよく耳にするけれど、「なんで大切なのか」まではあまり聞いたことがないなぁ
──と、ふと思いまして。
私なりに考えて、たどり着いた結論をメモしておきますので、お時間がある時にどうぞ。
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手術入院から退院してからというもの、夫が家事育児のほとんどをやってくれています。
掃除、洗濯、炊事、娘のお風呂、学校の支度のヘルプ、送迎まで、なんでもやってくれています。
私がちょっと何かをしようとすると、すぐに飛んできて「僕がやるよ」と代わってくれます。
さっきなんか、「お風呂沸いたよ」って呼んでくれて、先にお風呂に入らせてもらいました。
浴室はピッカピカに磨かれていて、隅々までお掃除が行き届いていました。
一生懸命掃除してくれたんだなぁ……と想像しながら、ありがたくてうれしくて、ちょっと涙がでちゃいました。
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先日の乳がんの手術後、主治医が手術について夫にいろいろ説明したそうで。
その時に、取ったブツを見せてもらったそうです。
その後すぐに生体検査に出したそうで、私には見せてもらえなかったんですけどね。
さっきまで「自分だった」物を、ちょっと見てみたかったなぁ。
それもあってか、「妻に大変なことが起きている」と思ったんでしょう。
「とにかく早く回復して欲しい」という気持ちが、夫の行動の中から漏れ出てきているように感じます。
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私は、自他共に認める虐待家庭育ちで、今流行りのワード「毒親」に育てられました。
ちょっとここには書けないようなことも、それなりに経験してきました。
「毒親」ってのは、子供からみた印象なので、本人はちっともそう思っていなかったんだと思います。
死んじゃったから、もう確認できないんですけどね。
今みたいに育児の情報がスマホで手に入ったり、「育児休暇」なんて言葉がポピュラーじゃなかった時代。
彼らなりに必死に子育てして、彼らなりの愛し方をしてくれていたんだろうなぁーと推測。
精一杯すぎて、愛し方間違えたんだろうなぁ。
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自分でも「妊娠」「出産」「育児」を経験して、それがどんなに物凄いことなのかわかるようになりました。
真剣に向き合えば向き合うほどドツボにハマり、悩んだ挙句孤独になる。
そんな世界があるなんて知らなかった。
子ども向けのバルーンアートショーを仕事にするくらいには、独身の時から子どものことが大好きでした。
しかし、「妊娠」「出産」「育児」は、当時想像していたものとは全く別物でした。
実際にやってみないとわからないことだらけだったんです。
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そしたらもう、産んでくれただけで偉業に思えるし、高校卒業するまで生かしてくれただけで奇跡なわけで。
渦中にいるときは「早くこんな家出てやる」って思っていましたが、振り返ってみると親に感謝できる部分もたくさんありました。
愛されていないわけではなかったんだね。
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まぁ、そんな感じで大きくなった私は、現在、夫の行動のいろんな部分に感動する体質になっているようです。
夫だけじゃなく、友達や仲間にも同じ感じのようです。
「え!そんなこともしてくれるの?」
「嬉しい!ありがとう」
なんて言うと、
「そんな大袈裟なwww」
「あたりまえのことだよ」
なんて嬉しそうな顔で返してくれたりします。
世界は、私が思っていたよりずっと優しかった。
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そうなんですよね。
「ありがとう」って言われると嬉しい。
ニヤニヤしちゃう。
自分のやったことが役に立ってるんだなって思える。
別に「ありがとう」って言われたいがために行動したわけじゃないけれど、嬉しいんですよねぇ。
「ありがとう」って言った側も、嬉しそうな顔が見れて嬉しい。
嬉しさの連鎖。
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もしかしたら「感謝は大切」と言われる理由は、そこにあるのかも。
言った側も言われた側も、「ありがとう」の言葉でハッピーになる。
ハッピーな気持ちになったら、きっとその人の周りもハッピーになる。
そしたら、その周りの人も、さらにその周りの人も……
すげえ!
たった一回の「ありがとう」で、ものすごい数の人がハッピーになれるじゃん!
しかもタダ!
お金かからないわ!
時間もかからないわ!
なんだこれ!
最高じゃん!
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天国の両親よ。
聞こえるかー?
産んでくれて、育ててくれて、ありがとう。
ディスプレイのそっち側のみんなー。
聞こえるかー?
いつもありがとう。
