「嫌い」の本当の意味

「あなたのこと、嫌いなんだよね」
「おまえなんか嫌いだ」

身近な人に、そんなことを言われたことはありませんか?
そんなに多くはないですが、私は何度かあります。

壁にもたれかかるおかっぱミユキの写真。頬をコンクリートの壁に着けて、アンニュイな表情をしている。

この言葉の、なんと優しいことか。

嫌いになるって、とても大きなパワーが必要になります。
それを自分に向けてくれるだけでも、凄いことです。

しかも、それをきちんと言葉で伝えてくれるなんて、めちゃくちゃ大変な事だと思うんですよね。

私なら、絶対しないです。
しようという発想にすらなりません。

これを言うと「嘘だ」と言われることがあるんですが、そもそも、まず私は人を嫌いになりません。
嫌いになる前に、その人に興味がなくなるんです。
つまり、存在自体が無いことになるんです。

だから、「嫌い」と伝えることもなければ、無駄な時間や労力を使うこともない、という訳です。
大人になっていく上で身につけた、自分なりの処世術的なものなんでしょう。

でも、子供の頃は違いました。
幼稚園や小学校で、お友達と何度も喧嘩しましたし、お友達が悲しみそうな言葉も言いました。
親にも先生にも反発しましたし、傷つけたこともありました。

本当に申し訳ないことをしたと思います。

何故、当時の自分がそんなことをしたのか考えてみると、「自分の気持ちをわかってほしかったから」という答えに辿り着きます。
方法は良くなかったにせよ、相手に理解してもらうことを諦めていなかったんですね。
わかってもらうために、幾度も懲りずにものすごい労力を使いました。

この気持ちって、とっても純粋で、ものすごく優しい。

違う考えの人がいても、「同じじゃなくてもいい」「わかってもらう必要はない」と考える今の私にとっては、「嫌いになる行為」も「それを伝える行為」も、愛のある優しい行動に見えます。

「あなたのこと嫌いなんだよね」という言葉は、「あなたに理解してもらうことを、諦めてないよ」というメッセージ。

もし、大切な人に「嫌い」と言われた時は、その人の言葉や行動を、注意深く捉えてみるといいかもしれません。

#どうでもいい人に言われたときはスルーでOK
#嫌いという感情は誰のものか
#自分の課題は自分のもの
#他人の課題は他人のもの
#奪っちゃだめよ